桜見の季節と相成りました
今晩は薄井宣正です。
今日は「生きる意味」と題しまして、重く語っていきたいと思います。
昨日私はとある病院にとある方をお見舞いに訪れました。
病院の自動ドアが開いた瞬間、慌しい人の流れと
なんともいえない緊張感。そして病院独特の匂いが鼻につきました。
長い廊下を歩く私の足取りはとても重く感じました。
とある方はとある会社を経営している私よりも若い社長です。
病名は胃ガン。症状は色々な箇所に転移している末期がんでした。
私はこの社長とはそんなにお付き合いはありません。
この方のところで働く社員と親しくしており、その関係から
面識がある程度の関係です。
その会社も社長がこのような状況なので今月で店をたたむ事となりました。
何故私は、この人のお見舞いに来たのだろう?
それほど親しくもないのに私自身もよくわからぬまま
訪れたのであります。
ただいえることは、良くなってもらいたいため励ましに行きたい
と思ったのです。思ったら即行動。
もちろんその行動が迷惑でないか社長の社員である私の知人に
再三確認を取り決断したのでありました。
広い病院からやっと辿り着いた団体部屋の名札を確かめ
重苦しい室内に入っていきました。
窓際のカーテンから恐る恐る顔を覗かせました。
一瞬呆然としてしまった私。彼は死んでいるかのように口を開けて
静かに寝ていました。
私は、条件反射のように背を向け外に出ようとしたのです。
やっぱ迷惑だろう、このまま帰ろうと思いました。
しかし、意を決して小さな声で呼びかけたのでした。
彼はゆっくりまぶたを開け、しばらく誰が来たのか判断が
つかないようでした。
「薄井です わかりますか 突然すみません お見舞いに来ました」
彼はかすかに私であることを認識してベットから起き上がろうと
しましたが私はそれを止めました。
「すみません こんな状況になってしまって 店も続けられません」
苦しそうに話す彼に対して私は
「もう しゃべらなくて いいですよ」と手を握りました。
まさかこんなにも症状が悪いとは思ってもいませんでした。
つい4ヶ月前までは元気に仕事をしていて
彼のお店で世間話をしていたのが嘘のようでした。
過去にお互いの生き方を熱く語ったことがあり
そんな思いを今日語れればと思って訪れたのに
別人のように痩せ衰えた姿にただただ驚きを隠すのに
精一杯の私でした。
そして私は生まれて初めて身近な人でこのように衰退している
人間を目の当たりにしたのです。
私の身内・親族でも過去にいません。今回初めての体験でありました。
だからこそ大きなショックを受けたのです。
励ます言葉も言えぬまま、何かのお役にと包んだ見舞金も
何の価値もないことを知り、本当に苦しんでいる人間をどうして
あげられることもできない自分という存在にジレンマにおちいりました。
ただそのときにかけた言葉は・・・
「良くなるよう 祈っているからね」・・・・でした。
それが彼に対する精一杯の、そして正直な私の気持ちでした。
彼は静かに頷き、また眠りについてしまいました。
「生きる意味」
これはとても重く難しいテーマーです。
わたしを含め人は、生きていることを当たり前と捉え、
食事をして満腹でいられることを当然と考え、それを前提に
幸せだ、不幸だと一喜一憂しながら暮らしている。
生きている・・・ただそれだけが幸せなのに、架空なものを
追い求めて私達は苦しんでいる。
私は健康でいられること、それに対して感謝して生きようとする
ことをあらためて彼から教えてもらったのです。
一見、利己主義と思われるかもしれませんが、第三者に
どう思われようと、生きることの素晴らしさそして、だからと
言って死ということがいけないものでないことを言葉だけではない
本当の思いが彼に伝わっていることを確信しているのであります。
その行為が祈りとして彼の心に届いていることを切に願います。
私はこの日人生という大きな仕事をしたと自負しています。
私の力ではどうすることもできない。だからと言って何もしないより
相手に喜びと励ましを贈り続けることがどれだけの偉業を成すか
私は知っている。自己満足も相手をも満足させることができれば
本物の自他満足という王道を残していけるのではないでしょうか
遠い昔、インドで王子として生まれたお釈迦様は、身の回りで老いて
病んで生まれて死んでいく苦しみ悲しんでいる衆生を見つめ
生老病死という苦しみについて疑問をいだき悟りを開いたのです。
私も今そんな思いです。
病院から一歩外に出れば、世間では経済不況という苦境にも
経たされています。
私は人間としての本当の生きる意味を知る旅路に一歩踏み入れたの
かもしれません。
ご拝読誠にありがとうございました。
※ナイガイセルフのホームページは こちらをクリック して下さい。

![31561875[1].jpg](http://naigaiself.co.jp/mt/31561875[1].jpg)







